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インボイス制度小規模事業者向け猶予措置
インボイス制度に伴う中小零細企業の事務負担を目的として、少額取引であれば、インボイスが不要となる猶予措置が設けられることとなりました。
対象となる事業者や取引金額は今後詰められますが、現時点では、以下の案で調整中です。
・課税売上高1億円以下
・少額取引は1万円以下
消費税の免税事業者である中小零細事業者はインボイスを発行できず、手取引先との取引が打ち切られる可能性がありますが、
商工会議所が公表した調査によると、現時点で4割以上の事業者が準備が出来ていない状況とのことです。
マイナンバー制度の時もそうですが、国民が混乱し、制度も迷走しているのは、その制度の導入趣旨が国民に伝わらないからです。
インボイス制度の導入趣旨は、10%と8%の複数税率を導入したことに伴って、消費税の計算が合っているかどうかのチェックを税務調査で国税庁ができないことにあります。
<消費税インボイス制度導入までの道のり>
消費税10%にしたい
→ 生活必要品だけは8%で増税法案成立
→ 消費税の適正計算ができない
→ インボイス制度導入
→ 10%、8%の他、0%(免税事業者)まで管理して適正計算
→ 0%(免税事業者)が市場が追い出される(取引相手が消費税控除できない)
→ 免税制度の意味がない
→ 納税者混乱中
→ 今回の猶予措置
ということで、消費税で国民の生活を良くしたいという目的だったはずですが、免税事業者という例外、軽減税率という例外、簡易課税制度という例外など、例外に例外を重ねたうえで、さらに今回例外を積み重ねるようです。
まるで年金制度なみに複雑怪奇で醜悪な制度になってきています。