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小規模宅地特例 貸付事業用宅地の3年縛り

相続税の申告において、財産評価へのインパクトが大きい小規模宅地等の特例に係る税制改正情報です。

 

これまでは、相続財産のうち、アパートなどの貸付事業用宅地を相続した場合には、その宅地の財産評価額については50%評価減することができました。
この制度で相続税の納税のためにアパート経営を廃業するという事態が生じないよう手当されていました。
ところが、資産を持つ層と持たない層の所得格差の拡大傾向が続くなか、この制度を使った相続税の節税が横行したため、一定の縛りが設けられました。
本改正により2021年の4月以後に発生した相続では、相続開始前3年以内に取得した貸付用不動産について、本特例(50%評価減)は適用できません。
例外的に、被相続人が相続開始の日まで3年を超えて「継続的に事業的規模」のアパート経営を営んでいる場合は、本特例50%評価減の適用対象となります。

(注)事業的規模とは5棟又は10室以上の規模のアパート経営を言います。

つまり、事業的規模のアパート経営ができる資産家については、引き続き本特例の対象となり、50%評価減が適用され、事業的規模のアパート経営ではない、10室未満のサラリーマンオーナーの相続ですと50%減の評価減は使えなくなります。
この国では、さらなる所得格差の固定化、拡大されることとなりそうです。
社会が不安定化しない水準の所得格差がどの程度か見定め、税による所得再分配機能を調整弁としてバランスを取っていくという難作業が資本主義を維持するためには必要です。

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