税務ニュースBLOG
- 2021.09.02
- 漁業税務会計情報
マサバ・マイワシ成長速度低下
マイワシがマサバと同様に成長速度が低下している。
マイワシの年別成長度は次のとおりとなっている。
2017年: 2歳魚(90グラム)3歳魚(100グラム超)
2021年: 2歳魚(50グラム)3歳漁(60グラム)
(注)2021年は上半期データ
2021年生まれのマイワシの資源量は比較的多く漁獲が期待できる2024年までは現状程度の漁獲量の期待ができるが、魚体重は小型となる見込みである。
一方、マサバについても400グラム台まで成長するまで2年間要していたものが、現在ではその倍の4年間を要している。
マイワシ・マサバの成長速度は、黒潮がアリューシン低気圧によって混ぜ合わせられることによる寒冷レージームと呼ばれる好調な海洋環境にあるかどうかによって変わってくるようだ。
1980年代まではこの寒冷レージームにより海洋環境が豊かであったが、1990年以降は温暖化の影響によりこういった寒冷レジームとよばれる海洋環境とはなっていなかった。
近年では2015-2016年の海洋環境が好調であったため現在の漁獲量は好調であったが、寒冷レジームにシフトしたとは言えない、というよりは温暖化のスピードが著しいことから海洋環境はまだまだ変化するものと予想される。
資源の成長速度と個体数の変数に合わせて漁獲量をコントロールしていくことと、輸出体制の構築により適正な魚体単価で市場流通させることが持続可能な水産資源を維持するうえで重要となる。