税務ニュースBLOG
- 2021.04.06
- 漁業税務会計情報
広域信漁連の発足
信漁連(しんぎょれん)は、「信用漁業協同組合連合会」の略で、協同組合組織で運営されている金融機関組織です。これまで信漁連は、各都道府県内の漁業協同組合と一体となって、漁業者に対して貯金や融資などの金融サービスを提供していました。
この信漁連組織が、これからは各都道県体制から全国を3つのブロックに分けた広域合併により、東日本信漁連、西日本信漁連、九州信漁連の3つ広域信漁連の体制となります。
令和3(2021)年4月1日に東日本信漁連と九州信漁連の設立総会が開催されました。西日本信漁連は1年遅れて、令和4(2022)年の4月に発足予定となっています。
広域化に伴う預金額、貸出額は次のとおりです。九州信漁連と比較すると、東日本信漁連はまだまだ貸出余力がありそうです。
<各信漁連の預金額 2020年3月現在>
東日本信漁連 7,068億円
九州信漁連 4,440億円
<各信漁連の貸出額 2020年3月現在>
東日本信漁連 1,156億円
九州信漁連 1,146億円
広域化することで財務体質も大きくなり強化されますので、漁船の建造融資案件にも柔軟に対応できるように制度設計できると思いますので期待できます。
また、漁業者の後継者不足が日本の漁業界全体の喫緊の課題であり、その問題を解決するためには事業承継、合併などによる漁業会社の集約化、外国人船員の雇用などが必要ですので、広域化することで単に業務の効率化を図るのではなく、こういった事業再編の要請に応えられるサービスを供給できる組織となることを期待します。