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資金目当てのM&A

令和6(2024)年10月14日付朝日新聞によると、日本M&Aセンターが「資金目当て」と疑われる買収案件を仲介していたことが社内で発覚し、社内の仲介ルールを大幅に見直しているそうだ。

 

これは、NHKでも報道され有名となったルシアンHDによるM&A詐欺的行為により、M&A仲介業界全体の信用不審に対して対応したものである。

ルシアン事件では、明らかになっているだけでも37社が被害に遭っており、被害総額は10億円以上の規模となっている。

 

「資金目当てのM&A」が明らかであるにも関わらず、仲介会社にも多額の金が流れるというM&Aの買収会社と仲介会社の利害が一致してしまったため、買収に応じた中堅、中小企業が被害に遭ってしまった。

 

資金目当てのM&A

➀ 買手企業(詐欺会社)はM&A仲介業者を通じて、業績が振るわない中堅・中小企業に接触

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② 中堅・中小企業に対して、「事業再生が得意」「事業や雇用は守る」「社長を借金の保証人から外す」などといいM&Aを成立させ買い取り。

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③ 買収後には全体での資金管理という名目のもと、買収された中堅・中小企業から現預金を回収

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④ 集められた資金は全体で管理されることはなく、買収会社(詐欺会社)の実質的代表者個人のものとなる

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⑤ 買収された中堅・中小企業は、現預金残高がなく、従業員の給料が支払えなくなる

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⑥ さらに、銀行借入の保証人解除も行われていないため、借入返済が滞り、社長個人が借金の返済義務を負う

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⑦ 預金残高がないため、弁護士を通して自己破産を行うこともできなくなる

 

これをわかったうえで仲介していたのであれば、仲介会社は社会的信用を失うことは必然です。
そのため、業界全体の自浄作用を促すため、最大手の日本M&Aセンターがようやく動いたという流れだと思います。
日本M&Aセンターは取締役の脱税報道や今回の報道など、ネガティブなイメージが続いています。
日本の中小企業の事業継承のためにはM&Aが必要不可欠であるため、ここでの信用不信は残念であり、社会的損失であると思います。

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