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中小企業の倒産増加

コロナ融資や事業再構築助成金を受けた中小企業の倒産が増加しています。

破産企業のうち、民事再生等をあきらめて倒産を選択した割合は2024年度上半期で過去最高9割を超え、「あきらめ倒産」が増えています。
これは、銀行が支援する動機が薄いころが理由となっていますが、当然といえば当然です。

 

原因は、経産省が主導した事業再構築助成金にあるように思います。
コロナ禍での事業再構築助成金は、経産省がお墨付きを与えた認定支援機関を名乗るコンサルタントが助成金ビジネスを行い、手数料を稼ぐビジネスになってしまっていました。
事業計画も審査基準も形式的なもので、審査を通過さえすれば助成金が得られるため、その中小企業のビジネスの実態に合っていない事業計画が多いです。
ビジネスの実態を審査する能力がある人材が、己のリスクで審査すれば通せるものでない案件がほとんどです。
経産省のホームページで審査通過しているものが公表されていますので、お時間があればご確認ください。
ほとんどが、ビジネスとして成り立たないような一過性の事業に対して税金を配っています。
ビジネスとして成り立たないものに税金を投資して、その結果、倒産ということであれば当たり前といえば当たり前です。

 

 

設備投資に対して一過性の税金を投資するのではなく、本当の意味で事業再構築、経済活性化のために税金を投資すべきです。
経産省は、お墨付きを与えた支援機関に、税金を使った責任と、その後の事業をサポートすることに見合う報酬を与える体制にすべきです。
そうでなければ、助成した税金のうち10~20%(それ以上のところも)は助成金ビジネスコンサルの懐に消え、残りはIT業者や工事施工業者の懐に消えてしまって、中小企業にはなにも残りません。
助成金ビジネス業者が作った無理筋な事業計画に、経産省が助成金を与えて事業展開した結果、あきらめ倒産が増えてきているというのが、現時点の中小企業の実情でしょう。

 

 

税金を投資するのであれば、一番困難な事業計画の実行の段階で、リスクと責任を負える税理士等の資格業者や銀行がサポートすることが望ましいと思います。
助成金ビジネスを行っている業者に、中小企業の事業サポートを期待すること自体が、まともな政策決定ではないです。
残念ながら、経産省の事業再構築助成金については、成功ケースより、事業計画にとらわれた故に倒産するケースの方が多くなりそうな推移です。
今後、しっかりした政策の検証が必要でしょう。

 

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