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価格調整金で所得隠し 2015/3/31

平成27(2015)年331日付毎日新聞によると、フォスター電機が海外子会社へ送金した価格調整金約10億円が寄付金認定され、しかも重加算対象となったとの報道がありました。
フォスター電機側は、寄付金認定は修正申告に応じたうえで、重加算税の賦課決定については、今後不服審判所で審査請求することも検討しているとのホームページ上で公表しております。

 

 

 

移転価格税制の実務上、一定の利益率レンジ(ALPレンジ)から取引実績ベースでの利益率が外れた場合、価格調整金により取引価格を自主的に是正することを認めています。
しかしながら、価格調整金の算定及び送金実務には、様々な税務リスクが生じるため安易に設定し、送金することは、追徴金額側面においても、マスコミ報道等による企業イメージの毀損という側面においても大きなリスクが伴います。

 

 

このような税務リスクを軽減するために価格調整金の設定を行う場合には次のことを検討することをお勧めします。
① 移転価格文書の作成(これは必須)
② 価格調整金の算定には、複数事業年度の実績値よる検証とする。(単年度検証しない)
③ 価格調整金に伴う関税の取扱いを検討する。
④ そもそも価格調整金の金額が大きくなるような移転価格ポリシーはつくってはいけない。
⑤ できればAPA申請

 

 

移転価格税制上の観点からの企業の備えが甘かったと報道内容から推測しておりますが、重加算の賦課決定は別です。
意図的に税を免れる意図で行った価格調整金でなければ、価格調整金の計算根拠となる移転価格文書等を根拠として重加算税の賦課決定の取り消しについては十分争えるものと思います。

 

価格調整金、移転価格調査で疑問等ある方は、池袋の大向税務会計事務所までご連絡ください。

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