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令和5年度国の税収72兆円超-4年連続過去最高
過去最高の税収
令和6(2024)年7月3日、財務省が令和5年度一般会計を公表しました。
令和5年度の国の税収は2年連続70兆を超える重税ポジションとなりました。
税収は72兆761億円で、4年連続で過去最高を更新しています。
国民がどこまで重税に耐えられるか、毎年ギリギリのせめぎ合いが垣間見える報告書となっています。
税収増の内訳
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法人税収:15兆8,606億円(対前年比9,208億円増)
円安が進んだことから、輸出企業のドル建て取引の利益率が大幅に改善されたにも関わらず、将来不安に備える企業が人件費を抑制していることから、法人税の税収が伸びました。
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所得税収: 22兆530億円(対前年比4,687億円減)
源泉所得税が対前年比7,350億円減であることから、法人税収が伸びているにも関わらず、給与が伸びていない状況です。
また、富裕者層の利益の源泉である配当金については、15%の固定の低税率に押さえられているため、配当収入が増えても所得税収の増は抑えられる計算構造となっています。
一方で、個人事業者の申告所得は対前年比2,663億円増と伸びています。
個人事業者の業績が好調で、累進課税により税負担率が高くなっていることが伺えます。
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消費税収:23兆923億円(対前年比130億円増)
昨年度過去最高の消費税収23兆円を記録しており、その重税が常態化しています。
国内消費水準は低水準のままですが、インボイス制度導入により、売上1,000万円未満の免税事業者も消費税の納税に貢献することになりました。
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相続税収:3兆5,663億円(5,969億円増)
高齢化により、相続の発生率が高まっていることに伴い、今後も総勢税収の増が見込まれます。
海外に回避された資産や、生前贈与無申告資産など、まだまだ税務署による資産補足率が低いので今後の課税執行体制の強化が期待されています。
増税感
物価の上昇に伴い、肌感覚として、増税感を感じる中間層が増えているはずです。
国への納税は国民の義務ですが、納税により、自分の子供の生活費や学費が支払えない状況になっているのであれば、それは国の失策です。
近い将来、納税よりも、子供の生活費や学費を優先に資金繰りを考えましょう、と助言しなければいけない日が来ることを懸念しています。
法人、個人の税金のご相談は、御茶ノ水の大向税務会計事務所までお問い合わせください。