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2020年度の税収 コロナ前超え
国の2020年度の税収が新型コロナウィルスの影響を受けたにもかかわらず、2019年度を上回ると日本経済新聞が6月25日付で報じている。
2020年度は当初見込んでいた55.1兆円を3兆円以上上回る58兆円超の税収となり、コロナ前の2019年度の58.4兆円を上回る見通しとのことである。
リーマン危機の影響を受けた2009年度の税収は38.7兆円であったので、税収の経済ショックに対する耐性はリーマンショックのときより格段に高まっている。
その理由は、日経新聞によると「法人税上振れ」としているが、実態は消費税の増税によるものである。
2009年度リーマンショック時の消費税は5%であり、税収全体に対する消費税の構成比は26%程度で合ったのものが、2020年度は税率10%、構成比37%となっている。税収額に換算すると2009年度は38.7兆円×26%=10兆円程度の消費税が2020年度には58兆円×37%=21兆円となり、11兆円増加している。
新聞報道によると、景気がコロナ前と同じ水準まで回復した結果税収が増えたようにミスリードしているが、事実は、消費税増税の影響と助成金による延命治療薬の影響によるものである。
消費税の導入前の時代であれば税収の増加が経済政策のポジティブな評価の指標となっていたが、消費税率が10%を超え、国民の所得水準も下がっている現在においては、税収の増加は経済政策の評価の指標ではなく、ただ単に国民負担増というネガティブな評価指標となる。