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平成28年度査察の概要
平成29年6月に国税庁から平成28年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)査察の概要が発表されました。 ホームページによると査察の状況は下記のとおりです。
■着手・処理・告発件数、告発率の状況(全国)
着手件数 | 処理件数(a) | 告発件数(b) | 告発率(b/a) | |
平成22年度 | 196 | 216 | 156 | 72.2% |
平成23年度 | 195 | 189 | 117 | 61.9% |
平成24年度 | 190 | 191 | 129 | 67.5% |
平成25年度 | 185 | 185 | 118 | 63.8% |
平成26年度 | 194 | 180 | 112 | 62.2% |
平成27年度 | 189 | 181 | 115 | 63.5% |
平成28年度 | 178 | 193 | 132 | 68.4% |
■着手・処理・告発件数、告発率の状況(東京国税局管轄内)
着手件数 | 処理件数(a) | 告発件数(b) | 告発率(b/a) | |
平成22年度 | 62 | 70 | 50 | 71.4% |
平成23年度 | 70 | 70 | 42 | 60.0% |
平成24年度 | 69 | 65 | 45 | 69.2% |
平成25年度 | 70 | 68 | 43 | 63.2% |
平成26年度 | 71 | 66 | 42 | 63.6% |
平成27年度 | 71 | 68 | 43 | 63.2% |
平成28年度 | 57 | 66 | 41 | 62.1% |
■脱税額の状況 平成28年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)に処理された査察事案に係る脱税額は総額161億円、そのうち告発分は127億円。告発された事案1件当たりの脱税額は、9,600万円(東京国税局管轄は、8,500万円)でした。
■告発の多かった業種
平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 | |||
不動産業 | 16 | 建設業 | 15 | 建設業 | 30 |
クラブ・バー | 10 | 不動産業 | 12 | 不動産業 | 10 |
検察業 | 8 | クラブ・バー | 7 | 金属製品製造 | 5 |
運送業 | 4 | 機械器具卸 | 6 | 商品、株式取引 | 5 |
広告業 | 4 | 運送業 | 4 |
税務署の事務年度は7月から6月ですが、査察は4月から3月であるため、毎年この時期に前年度分の概要が発表されます。 査察調査は、通常の税務調査とは異なり、悪質な脱税者に対して入り、懲役刑等の刑罰を科すことを目的に調査が進められます。
脱税は、犯罪です。
上記からわかるとおり、東京国税局管内では、1週間に1件以上の割合で査察調査が行われ、査察が入ると(東京地検特捜部へ)立件される確率は約60~70%です。 立件されるとほぼ100%有罪となります。 法人税163条①では、脱税を行った場合、その行為者を罰するほか、その法人に対しても罰金刑を科するとなっています。 脱税の場合、法人税のみならず、所得税等においてもこのような両罰規定と呼ばれる形式で、法人とその行為を行った者の双方を罰することとしています。